重要な脳内物質「セロトニン」とは?

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セロトニンとは?

・別名5-ヒドロキシトリプタミン(英: 5-hydroxytryptamine、略称: 5-HT)。

・必須アミノ酸「トリプトファン」から「5-ヒドロキシトリプトファン」を経てセロトニンになる。

・脳内の神経伝達物質のひとつ。

・ヒトではドパミン・ノルアドレナリンを制御し精神を安定させる働きをするほか、生体リズム・神経内分泌・睡眠・体温調節などに関与する。

・脳内の神経伝達物質として働くセロトニン(以下、脳内セロトニン)は脳幹の縫線核で合成される。

・脳内セロトニンを生成する縫線核群は、大脳皮質、大脳辺縁系、視床下部、脳幹、脊髄など広汎な脳領域に投射しているため、脳内セロトニンが関与する生理機能は多岐にわたる。

 

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セロトニンの生理作用

・生体リズム・神経内分泌・睡眠・体温調節などの生理機能と、気分障害・統合失調症・薬物依存などの病態に関与しているほか、ドーパミンやノルアドレナリンなどの感情的な情報をコントロールし、精神を安定させる働きがある。

・ホルモンとしても働き、消化器系や気分、睡眠覚醒周期、心血管系、痛みの認知、食欲などを制御している。

・セロトニン神経(5-HT神経)の活動特性は、覚醒時に抵頻度発射(規則的な 3–5 Hz の発射活動)を継続して、標的細胞のシナプス間隙に一定のセロトニンを分泌させ、覚醒状態を維持することにある。

・覚醒状態における種々な活動に適度な緊張(抗重力筋の緊張や交感神経の緊張など)を与える役割がある。覚醒時の5-HT神経系の活動が抑制された状態はうつ病や慢性疲労症候群などの症状を惹起するとされる。

・抗うつ薬SSRIはセロトニンの再取り込みを阻害することによって、シナプス間のセロトニンの量が増えることにより効果を発揮する。

・興奮性の神経伝達物質の代表選手がドーパミン、アセチルコリン、グルタミン酸、アドレナリンで、抑制性の代表選手にはGABA、グリシン、そしてセロトニンがあります。セロトニンは、ドーパミンが神経を興奮させるのとは反対に、人に安心感を与えたり、気持ちをリラックスさせる神経伝達物質で、セロトニンが人間の感情に大きな影響を与えることが分かっている。

 

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不安や心配、失敗体験など、ネガティブな考えがいつまでも頭か離れずクヨクヨしてしまう場合

・保続(前頭葉機能低下)症状であり、セロトニン低下が原因と考えられている。

・セロトニンが低下していると脳の切り替えが困難になってしまう

・脳内のセロトニンを増やすことで、ネガティブな思考の保続状態からの切り替えが促進される

 

 

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セロトニンと睡眠の関係

・セロトニンは覚醒のホルモンで、朝分泌され、脳の働きが良くなる。夜はセロトニンの分泌が減り、セロトニンからメラトニンがつくられる。

・メラトニンは脳の松果体でつくられるホルモンで睡眠誘導作用がある。

・メラトニンの分泌のピークは7歳ごろで、45歳を過ぎると松果体の萎縮が始まり、60代では20代のころの半分しか分泌されなくなる。

・50歳を過ぎたころから、睡眠障害が始まるのは、メラトニンの分泌低下が原因といわれる。

・メラトニンは夜分泌され、脳と体を睡眠状態にする。昼間セロトニンがたくさんあれば、夜メラトニンもたくさんつくられ、よく眠れます。

・昼間のセロトニンが少ないうつ病の人が、眠りにくいのは、メラトニンが十分つくられないためで、当然のことなのです。

 

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セロトニンの合成

・脳内の神経伝達物質として働くセロトニン(以下、脳内セロトニン)は脳幹の縫線核で合成される。

5-ヒドロキシトリプトファンは血液脳関門を通過するが種々の副作用を示すため、脳内セロトニンを増やすためには栄養学的にはトリプトファンの摂取が重要となる。

・トリプトファンを摂取するには「バナナ」が最適。

バナナには、トリプトファンのみならず、その吸収、セロトニン合成に必要な「ビタミンB6」と「糖質」も含まれているため。


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セロトニン分泌を増やそう!

セロトニンは、日常生活の中の工夫でも増やすことができます。3つのポイントを紹介します。

1.太陽の光を浴びよう!

・セロトニンの合成には太陽の光が不可欠。紫外線などの影響も気になるところではありますが、日照量の少ない季節には、適度に太陽の光を浴びることを意識しましょう。

・光を浴びる時間は、季節や天候などにもよりますが、1日20~30分程度が目安とされているようです。

・特におすすめなのは朝散歩。朝の光は覚醒のスイッチになりますし、体内の生活リズムを整える働きも期待できます。不規則勤務の人や昼夜逆転の生活をしている人もなるべく太陽の光を浴びるように心がけましょう。

 

2.リズム運動をしよう!

・ウォーキングやスクワットなど、一定のリズムで同じ動作を繰り返す「リズム運動」によってセロトニンが増えることがわかっています。

・また、食事のときによく噛むことも効果があります。

 

3.セロトニンの材料(トリプトファン、ビタミンB6)を摂取しよう!

トリプトファンは必須アミノ酸のひとつで、セロトニンの材料になります。

・体の中では作り出せないため食物からとることが必要です。

魚、肉、大豆製品、卵、ナッツ、バナナなどに含まれます。

ビタミンB6はトリプトファンをセロトニンに合成するために必要なビタミン。

魚(特にサンマやイワシなど)、肉、レバー、バナナなどに含まれます。

・炭水化物は脳の唯一のエネルギー源であり、トリプトファンが脳内に取り込まれるのを助ける。

穀類やいも類、果物、砂糖などに含まれます。

 


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