脂肪とは?
・脂肪酸は、エネルギー源として役目を果たすほか、身体の各種細胞膜の大切な構成成分である。
・脂肪酸には骨格となる炭素がすべて飽和結合で満たされた「飽和脂肪酸」と、一部に二重結合(不飽和結合)を持つ「不飽和脂肪酸」に大別される。
・オレイン酸(一価不飽和)、アラキドン酸(n-6、ω6)、リノール酸(n-6、ω6)、α-リノレン酸(n-3、ω3)、DHA、EPAの5つの脂肪酸は体内合成できず、食事から摂取する必要があるため、「必須脂肪酸」と呼ばれる。
飽和脂肪酸とは?
・飽和脂肪酸は、一般に固形で乳製品や肉などの動物性脂肪に多く含まれる。
・パルミチン酸、ステアリン酸などがある。
不飽和脂肪酸とは?
・不飽和脂肪酸は、常温では液状で、植物油に多く含まれる。
・不飽和脂肪酸の中でも、二重結合を1個だけ持つものを一価不飽和脂肪酸、2個以上持つものを多価不飽和脂肪酸と呼ぶ。
・多価不飽和脂肪酸は、細胞膜を構成するリン脂質の一部であり、細胞から出るシグナル物質、プロスタグランジンなどの生理活性物質の材料として重要である。
・とくにリノール酸はLDLを減らし心臓病を予防するといわれる。リノール酸は普通に食事を摂っていれば、必要量は簡単に摂取できる。
多価不飽和脂肪酸のn-3系、n-6系、n-9系とは?
・不飽和脂肪酸については二重結合の位置により、メチル基末端から数えて3番目、6番目、9番目の炭素に初めて二重結合が現れる脂肪酸をそれぞれn-3(またはω3と表記)系脂肪酸、n-6(ω6)脂肪酸、n-9(ω9)系脂肪酸と呼ぶ。
・哺乳類はn-3(ω3)位、n-6(ω6)位に二重結合を導入する不飽和化酵素をもっていないため、n-3(ω3)系脂肪酸とn-6(ω6)系脂肪酸を体内で合成することができない。
・そのため、これらは食事により摂取する必要がある必須脂肪酸であり、その体内バランスは食事の質に大きく依存している。
・n-3系にはα-リノレン酸と生体内でそれから代謝されてできるEPA(IPA)、DHAなどが属する。
(エパデール®はω3系高純度EPA製剤)
・n-6系にはリノール酸と、生体内でそれから代謝されてできるアラキドン酸などが属する。
EPA、DHA、IPAとは?
注:IPA(イコサペンタエン酸:icosapentaenoic acid)は、EPA(エイコサペンタエン酸eicosapentaenoic acid)と同じものの別称で、読み方が違うだけ(紛らわしい!どちらかに統一してほしい!)
・n-3系のαリノレン酸は、エイコサペンタエン酸(EPA)→ドコサペンタエンサン(DPA)→ドコサヘキサエン酸(DHA)へと代謝される.
・しかしEPAからDHAへの変換率は低い(そのため、DHAを補給したければ、DHAそのものを摂取することが大切)。
・n-6系のリノール酸は体内でアラキドン酸を作り出し、イコサノイドという生理活性物質にもなる。
・これらは動脈硬化や血栓を防ぎ、血圧を下げるほか、LDLコレステロールを減らすなど、さまざまな作用を有する。
DHA(ドコサヘキサエン酸)と、EPA(エイコサペンタエン酸)の違い
・DHAは血液脳関門を通過でき、脳神経を活性化し、記憶力の向上などの効果がある(EPAは血液脳関門を通過できない)
・EPAは血小板凝集抑制効果が非常に高く、心筋梗塞や、虚血性心疾患の予防効果が非常に高いといえます(DHAも血小板凝集抑制効果を持つが、EPAほど高くない)
・EPAからDHAへの変換率は低いため、DHAを補給したければDHAそのものを摂取するのが良い。
DHA・EPAを含むn-3系脂肪酸の1日あたりの摂取目安
・日本ではDHA、EPAの目安量はないが、厚生労働省厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、n-3系脂肪酸の目安量を設定している。
・目安量は欠乏症を予防する観点から設定されている。
・またα-リノレン酸とEPAやDHAといった他のn-3系脂肪酸とを生体内で機能を区別するのが難しいことから、n-3系脂肪酸の摂取量として基準が設定されている。
・1日の摂取目安量として、n-3系脂肪酸は成人男性の場合2.0g~2.4g、成人女性で1.6g~2.0gの摂取が推奨されている。
効果的な摂取法
・ナッツはn-3系脂肪酸(ω3脂肪酸)を豊富に含み、健康によい。
・しかしカロリーも高いため、1日の推奨摂取量は30g。
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・いい油を摂る(オリーブ油、亜麻仁油、ココナッツ油)
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・サプリから摂取する方法
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