体は私なり 心は公なり
私を役して公に殉う者を大人と為し 公を役して私に殉う者を小人と為す
ー 「丙辰幽室文稿」七生説
人間は精神心( と) 肉体の二つを備えている。そして、心は肉体よりも精神(性)に近いが、肉体は動物に近い(自己本位)。 ここでは、精神を公とよんで主人とし、肉体を私とよび、従者とする。
すなわち、人間は公私両面を備えている。なお、精神を尊重するのは、良心を備えているからである。
主人たる心のために従者たる肉体を使役するのは当然のことで大人君( 子の) 為すところ。これに反し、従者たる肉体のために、主人たる精神を使役するのは、小人徳( のない人の) 為すところ。
同じことを繰り返すが、肉体(私)を 使役して、徳を修め、道を行うことに心がける者は大人、
反対に、道心、天理(公)を 犠牲にして肉体(私)の 欲望を満足する事を目的とするものは小人である。