Dr.Gawaso書店:『世に棲む日日』司馬 遼太郎

 

『諸君、狂いたまえ』

狂愚

狂愚誠可愛 (狂愚は誠に愛すべきもので)
才良誠可虞 ( 才良は誠に恐るべきものだ)
狂常鋭進取 (狂人は常に鋭く新しい物事に取り組み)
愚常疎避趨 ( 愚者は常に危険を避けたりしない)
才多機變士 ( 才人には変節漢が多く)
良多郷原徒 ( 良識者とされる者は八方美人が多い)
流俗多顚倒 (俗世間の評価はしばしば転倒していると)
目人古今殊 ( 古今の人物を見れば殊更に思われる)
才良非才良 ( 才良など本当は才良ではないし)
狂愚豈狂愚 (狂愚のなにが狂愚であろうか)

 

(Amazonレビューより)

時は幕末。嘉永六(1853)年、ペリーの率いる黒船が浦賀沖に姿を現して以来、攘夷か開国か、勤王か佐幕かをめぐって、国内には、激しい政治闘争の嵐が吹き荒れる。
長州萩・松本村の下級武士の子として生まれた吉田松陰は、浦賀に来航した米国軍艦で密航を企て罪人に。生死を越えた透明な境地の中で、自らの尊王攘夷思想を純化させていく。その思想は、彼が開いた私塾・松下村塾に通う一人の男へと引き継がれていく。松陰の思想を電光石火の行動へと昇華させた男の名は、高杉晋作。身分制度を超えた新しい軍隊・奇兵隊を組織。長州藩を狂気じみた、凄まじいまでの尊王攘夷運動に駆り立てていくのだった……
骨肉の抗争をへて、倒幕へと暴走した長州藩の原点に立つ吉田松陰と弟子高杉晋作を中心に、変革期の青春群像を鮮やかに描き出す長篇小説全四冊。
吉川英治文学賞受賞作。

 

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