「運動・身体活動と座りがちな行動に関するWHOガイドライン」について・・・運動!運動!!運動!!!

 

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参考:WHO guidelines on physical activity and sedentary behaviour

・2010年にWHOが発表した運動に関するガイドラインの改訂版、2020年11月25日に発表。

 

http://WHO guidelines on physical activity and sedentary behaviour

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運動不足の定義:

「週に150分の緩い運動、もしくは75分の激しい運動をしない人」

(この定義によると、日本人の80%は運動不足!

 

・ガイドラインでは、

定期的な運動の実施は、心疾患、2型糖尿病、がんなどの予防にもつながり、うつ症状や不安の軽減、認知力低下の防止、記憶力の向上といった効果も見込むことができる』と発表している。

 

・新たなガイドラインを通じてWHOは、『運動実施はどのような形でも良く、仕事や移動の最中、スポーツやレジャー活動の中、ダンスや遊びの中、またガーデニングや掃除といった日常生活の中でも実施可能である』というメッセージを送っている。

 

・また『どのような運動でも何もしないよりは良く、またやればやるほど健康には良い』としている

 

例)

▼エレベーターやエスカレータを使わず、階段を使う。

▼外出には車よりも徒歩で行く

▼デスクワークでは1時間ごとに立ち上がり体操や運動をする

▼仕事のミーティングなどは、立ったまま済ます

▼テレビのリモコンを近くに置かない

▼ランチの時間には10~20分ほど歩く

▼休憩時間に歩く。家やオフィスの周りを歩くことを習慣にする

▼テレビのコマーシャルの時間には立ち上がる

▼家事は立ったまま行う

▼ちょっとした用事があるときは、車でなく徒歩で行く

▼スーパーマーケットに買い物に行くときや、歩いて行ける一番遠い場所に駐車する

▼余暇時間にウォーキング、サイクリング、ダンスなどに取り組む

▼休日にはガーデニングやドゥ イット ユアセルフ(DIY)の大工仕事などを行う

――など

 

 

このガイドラインでは、小児から青年、成人、高齢者、および妊産褥婦、慢性疾患や障害のある人にたいして、運動の具体的な推奨事項をまとめている。

 

 

注釈:具体的な運動の例

【中等度の有酸素運動の例】

早歩き

・水中エアロビクス

平らな道か上り下りが少ない道で自転車をこぐ

・テニスのダブルス

・ハイキング

・スケートボード

・ローラーブレード

・バレーボール

・バスケットボール

 

【高強度の有酸素運動の例】

ジョギングもしくはランニング

・速く泳ぐ

・高速で、もしくは山道で自転車をこぐ

・テニスのシングルス

・サッカー

・ラグビー

縄跳び

エアロビクス

体操

・総合格闘技

 

【筋力強化になる運動の例】

・ウェイトリフティング

エクササイズバンドを使った運動

腕立て伏せや腹筋など自重を使った運動

・手やショベルを使った穴掘りなど重労働を伴うガーデニング

ヨガ

 

【有酸素運動と筋力強化を同時にできる運動の例】

・サーキットトレーニング

・エアロビクス

・ランニング

・サッカー

・ラグビー

など

 

身体活動と座位行動について、対象ごとに推奨事項を推奨レベルとともにまとめられており、主なポイントは以下のとおり。

 

【小児および青年(5〜17歳)】

<身体活動>

・少なくとも1日平均60分の中等度~高強度の主として有酸素運動を週を通して行う

(推奨度;強、エビデンスレベル;中)
・筋肉と骨を強化するため、高強度の有酸素運動を少なくとも週に3日組み込む

(推奨度;強、エビデンスレベル;中)

 

<座位行動>

・座位時間、とくにスクリーンタイム(スマホやゲーム、テレビ等の視聴時間)などのレクリエーション時間を制限する

(推奨度;強、エビデンスレベル;低)

 

 

【成人(18〜64歳)】

<身体活動>

・定期的な身体活動を行う必要がある

(推奨度;強、エビデンスレベル;中)

・少なくとも150~300分/週(1日平均20分~40分程度)の中等強度有酸素運動(ウォーキングなど)、または75~150分/週の高強度有酸素運動、またはそれら両者の組み合わせ

(推奨度;強、エビデンスレベル;中)

・少なくとも週2回の中等強度以上での筋力運動

(推奨度;強、エビデンスレベル;中)

 

<座位行動>

・座位時間を制限する。座位行動を何らかの強度(軽強度も含む)の身体活動に置き換えることは、健康上のメリットにつながる

(推奨度;強、エビデンスレベル;中)

 

 

【高齢者(65歳~)】

<身体活動>

・定期的な身体活動を行う必要がある

(推奨度;強、エビデンスレベル;中)

・少なくとも150〜300分/週(1日平均20分~40分程度)の中等強度有酸素運動(ウォーキングなど)、または75~150分の高強度有酸素運動、またはそれら両者の組み合わせ

(推奨度;強、エビデンスレベル;中)

・より高いメリットを期待するために:少なくとも週2回の中等強度以上での筋力運動を行う

(推奨度;強、エビデンスレベル;中)

 

<座位行動>

・座位時間を制限する。座位行動を何らかの強度(軽強度も含む)の身体活動に置き換えることは、健康上のメリットにつながる

(推奨度;強、エビデンスレベル;中)

 

 

【妊娠中および産後の女性】

<身体活動>

・妊娠中および産後を通して定期的な身体活動を行う

(推奨度;強、エビデンスレベル;中)
・少なくとも150分/週の中等強度の有酸素運動

(推奨度;強、エビデンスレベル;中)
・さまざまな有酸素運動および筋力運動を取り入れ、軽いストレッチの追加が有益の可能性がある

(推奨度;強、エビデンスレベル;中)
・妊娠前に高強度有酸素運動を習慣的に行っていた女性、または身体活動を行っていた女性は、妊娠中および産後、それらの活動を継続して良い

(推奨度;強、エビデンスレベル;中)

 

<座位行動>

・座位時間を制限する。座位行動を何らかの強度(軽強度も含む)の身体活動に置き換えることは、健康上のメリットにつながる

(推奨度;強、エビデンスレベル;中)

 

 

【慢性疾患のある成人(18歳以上)および高齢者】

<身体活動>

・少なくとも150〜300分/週の中等強度有酸素運動、または、75~150分の高強度有酸素運動、またはそれら両者の組み合わせ

(推奨度;強、エビデンスレベル;中)

・機能的能力を高め転倒を防ぐために、週に3日以上、中等強度以上での筋力運動とバランスを鍛える多面的身体活動を行う

(推奨度;強、エビデンスレベル;中)

 

<座位行動>

・座位時間を制限する。座位行動を何らかの強度(軽強度も含む)の身体活動に置き換えることは、健康上のメリットにつながる

(推奨度;強、エビデンスレベル;中)

 

 

【障害のある小児および青年(5〜17歳)】

<身体活動>

・少なくとも60分/日の中等強度~高強度の主として有酸素運動を、週を通して行う

(推奨度;強、エビデンスレベル;中)
・筋肉と骨を強化するため、高強度の有酸素運動を少なくとも週に3日組み込む

(推奨度;強、エビデンスレベル;中)

 

<座位行動>

・座位時間、とくにスクリーンタイム(スマホやゲーム、テレビ等の視聴時間)などのレクリエーション時間を制限する

(推奨度;強、エビデンスレベル;低)

 

 

【障害のある成人(18歳以上)】

<身体活動>

・定期的な身体活動を行う必要がある(推奨度;強、エビデンスレベル;中)

・少なくとも150~300分/週の中等強度有酸素運動、または、75~150分の高強度有酸素運動、またはそれら両者の組み合わせ

(推奨度;強、エビデンスレベル;中)

・より高いメリットを期待するために:少なくとも週2回の中等強度以上での筋力運動を行う(推奨度;強、エビデンスレベル;中)

 

<座位行動>

・座位時間を制限する。座位行動を何らかの強度(軽強度も含む)の身体活動に置き換えることは、健康上のメリットにつながる

(推奨度;強、エビデンスレベル;中)

 

 

※ 今回の主な改訂ポイント

新ガイドライン発行にあわせて、英国スポーツ運動医学会の「BMJ Open Sport Exerc Med」に掲載された論文によると、従来のガイドラインからの主な改訂点は以下のとおり。

 

・身体活動は少なくとも10分間は継続するべきであるという規定が削除された。

・成人向けに少なくとも150分/週の中等強度の運動の推奨に加え、150~300分/週の中等強度の運動や75~150分/週の高強度運動の目標も設定された。

・高齢者に対する機能的能力を高め転倒を防ぐためのバランスと筋力トレーニングを強化する多面的身体活動が、運動能力の低い人ではなく、すべての高齢者に推奨された。

・それ以外にも、小児に対する中等強度運動の推奨時間を、毎日60分から少なくとも平均60分に変更された。

 

 

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